◆プロフェッショナル vol.2 『仕事にプライドをもつプロフェッショナル』 その1

2006年4月、新人研修を終え、宅地開発チームに配属されたH氏。
それから5年5ヵ月。
納会やスピーチなど、ことあるごとにH氏は語り続けた。
「自分の力で土地を仕入れたい」。
リーマンショックで仕入れ業務がストップしたときも、涙を流し語っていた。その執着心はどこからきていたのか?
「仕入れは、僕が社会人になって初めて任された仕事。でも、僕はまだその面白さもやりがいも達成感も知らない。それを知らずして、他の仕事にはいけないんですよ」。
彼を絶えず動かしていたのは責任感とプライドだった。

そんなH氏が今回のプロジェクトの舞台となる地に出会ったのは、今年4月。業者から送られてきた情報が目に留まった。
「いける!」 瞬時に直感が働いた。
造成済みの完成宅地(年内引き渡しが可能)。駅近で3500万円以下。利便性の高い環境。好条件が揃ったこのエリアに残された唯一の土地。
同じタウン内には大手ハウスメーカーなど競合他社が集っていたが、H氏にとってハードルではなかった。
「我々の企画力を持ってすれば、大手のブランド力には絶対に負けない」。
それは確信に近かった。
関係者に意見を聞き、検討を重ねた。
最終的に「過去に携わった条件の似たエリアでのノウハウを活かせばいける!」という考えが決め手となり、契約に至った。
「嬉しかったけど、達成感はなかったですね。たとえば、仕入れ部門、販売部門と完全に分業化されている会社であればそれで任務完了になるのかもしれない。でも、我々の仕事は違う。契約時は 『あぁ、やっと始められる』という思いでした」。
土地の仕入れから企画、販売、引き渡し、そしてアフターにまで携わり、更にはお客様の喜ぶ顔まで見ることができる。
そういう意味で、今はまだ通過点に過ぎない。
チームが掲げる「年内完売」を達成した時、H氏はようやく一つの達成感を得られるのかもしれない。

⇒続く